企業を成長させるデザインとは

現代において事業の飛躍にデザインは不可欠な要素であり、その必要性はインターネットの普及により決定的な事実となりました。

日本経済は、人口減少と共に拡大成長が終わりを告げました。現状の市場を食い物にしていくやり方には、行き詰まりを感じています。

事業者には、革新的なアイデアの転換力と、デザインを取り入れた新たな事業展開を模索していく事が求められています。

富山県高岡市の鋳物メーカー『株式会社 能作』では、デザインを活用して多くの実績を残しています。

1916年の創業当時は仏具、茶道具、花器を中心に商品開発を行ってきましたが、近年はテーブルウェアやインテリア雑貨、照明器具や建築金物、医療器具などを手掛けています。

全国の日本の伝統工芸品の売り上げは、ピーク時の4分の1までに低下しています。

これは、伝統工芸品の作り手が、現代のライフスタイルについて行けず、必要とされないものを供給し続けていることに、原因があります。

仏間がない家が増えているのに、大きな仏壇を供給し続けていては、市場は萎むばかりで、職人の技は生きて来ません。

流通に関しても伝統のままを引き継いでおり、新たな取引先や卸先を探さない傾向にあります。昔からの付き合いだけでは、時代のニーズに乗り遅れてしまいます。

技術はそのままに、テイストを変えて活きるプロダクトを生むには、デザインの力が必要です。

能作では、デザイナーとロイヤリティー契約を結んでおり、売り上げの3%がデザイナーの報酬となります。雇用するのではなく、能力を活かし自由な働き方で暮らしていく。縛ることではなく解放する雇用体制が幅広い層に支持され出しています。

デザイナーというだけで、間違っても先生のような立ち位置から物事を見てはいけません。

商品開発は、作り手とデザイナーと売り手が一緒に行います。同じ目線に立ちトータルでブランディングする事で、ブレない商品を生み出す事ができます。

市場は日本だけではなく、広く世界に目を向けていくべきです。スマホを使えば指1本で誰もが世界に対してアプローチできる時代。

しかし、日本製品のクオリティーは世界トップであるのにも関わらず、謙遜することに美を感じる日本人は海外でのアピールが上手くありません。

100点満点の商品もプレゼン次第では70点の評価で終わってしまいます。

世界に対して打って出るためには、主張することも大切であり、日本には日本の、世界には世界に通用する戦い方がある事を学ぶべきです。

また、能作では、地元富山県高岡市の地域活性化に惜しむ事なく力を注いでおり、観光客を呼び込むため、自社の工場見学や伝統工芸の体験を行ったり、カフェやギャラリーの運営も行なっています。

ブランドとは、作るものではなく、認められるものであり、地元を代表し、人に愛される企業になることで、能作のブランドが市民にとっての誇りとなります。

産地において競争する事をやめ、共想、共創する事業展開をする事で、能作と同じようなプロダクトを作る同業者が増える事を歓迎し、共に発展していける基盤作りを行なっています。

奪い合うのではなく、共に広めていく事業展開こそが、今後のビジネスにおいての主流になりそうです。

能作の発展の裏には、統芸能ディレクター立川裕大さんの存在があります。

日本の伝統技術の最新のインテリアデザインの世界に拡張するプロジェクトubushinaを主宰しており、現在までに数多くの伝統技術を使ったプロダクトを手がけて来ました。

一見、どこが日本の伝統技術が駆使されて作られているのか分かりませんが、どれも職人の手仕事が存分に入っています。

ubushinaは、職人とデザイナー、文化と産業、製品と市場、日本と海外、伝統と未来に対して、見直しと改善を図るミドルウェアとして存在しています。

広い視野でコラボレーションを実現し、日本の伝統を高い技術で編集する事で、誰もが驚く新たなプロダクトを生み出します。

対面でモノを売る事が全てだった時代は終わり、モノ、コト、ヒトというバックグラウンドをセットにして商品を打ち出す事ができます。

プロダクトに対する強いアイデンティティが非常に重要であり、商品価値に対して大きく影響してきます。

そのため、古い歴史を持つ日本の伝統工芸品には、オリジナリティ溢れたアイデンティティが根強く残っており、テイストを変える事で活かすことのできるビジネスチャンスが多く眠っていると言えます。

これは、立川さんが手がけるプロダクトの成り立ちを1本の木に表した図です。まるでパーマカルチャーのように循環する絵が描かれています。

地球と同じように社会においても循環する事が非常に大切であり、一方通行の消費ばかりを促進する社会は時代遅れとも言えます。

これは、過去と現代のビジネスの在り方を表したものです。

1つの市場に対して槍を投げて次から次へと食い尽くしていくのではなく、1つのアイデアが渦のように広がり、網をかけていくイメージの戦略プランが求められています。

培われてきた伝統と日本人特有の高い編集技術を駆使して、世のニーズに応えることのできる企業が、今後の日本の伝統を支えていきます。

物作りの町とも言われる愛知県。この土地にはまだまだ多くのチャンスが残されているように感じています。

実際、僕の周りにもアイデンティティに誇りを持ち、新たな可能性を秘めた商品やサービスを展開している仲間がたくさんいます。

これから10年、時代が大きく変わろうとしている中で、自分たちには何が出来るのか。

広い視野を持ち、未来に繋がる戦略を打ち出す画期的なアイデアで、新たなビジネスチャンスを一緒に作っていきましょう。

ありがとうございました。

wabi-sabi.co.jp

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